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金属アレルギーとrenriで使用する金属素材について

 

 

以前、renriの結婚指輪や婚約指輪で使用している金属素材について詳しく説明しました。

今回は、金属アレルギーのことについて説明します。

 

金属アレルギーという言葉を聞いたことがありますか?

成人ともなると、周りでちらほらそのような言葉を耳にすることがあるでしょう。

人によって症状の違いはあるものの、たいていはある特定の金属を身に着けたり、体内に取り込むことで起こる、アレルギー症状のことを指します。

 

特によく聞くのが、アクセサリー、特にピアスやネックレスなどを身に着ける際に、特定の金属でなければ身に着けられないなどといった方がいます。そういった場合、ピアスホールが化膿したり、ネックレスの場合は赤く炎症を起こしたりすることもあるようです。

 

renriにいらっしゃるお客様にも、金属アレルギーが気になるので、問題のない素材で結婚指輪を作りたいとのご希望をいただくことも多いです。もし不安がある場合はご遠慮なく質問するようにしてくださいね。

 

では、自分は金属アレルギーがあるという人の何人が正しく、金属アレルギーについて理解しているでしょうか。

経験上、金属アレルギーのことについて正しく理解している人は1割にも満たないと思います。

私も医学的な専門家はではないので、そこまで詳しいわけではないですが、経験上と、金属について多少なりに勉強したこともある中で、

今回はご説明できればと思います。

 

 

 

目次

    1. 金属アレルギーとは何か?
    2. 金属アレルギーが出やすい金属素材
    3. 金属アレルギーの調べ方
    4. 金属アレルギーが出てしまったら
    5. 金属アレルギーの予防
    6. まとめ

 

 

 

金属アレルギーとは何か?

 

 

 

金属アレルギーとは何か?

まずは基本的なところから説明いたします。

 

金属アレルギーとは、様々な金属元素に触れたり、その金属を体内に取り込むことによって起こるアレルギー症状の総称です。

症状が出るプロセスは以下の通りです。

 

感作

金属は汗に触れるなどしてイオン化し、体内に取り込まれていきます。この際にイオン化した金属と体内のたんぱく質が結合して「金属たんぱく複合体」となります。体内の免疫細胞がこの「金属たんぱく複合体」を異物として認識し、記憶します。免疫細胞の働きとして、次にこの「金属たんぱく複合体」が体内に入ってきた際にいつでも攻撃できるよう準備をします。この状態を「感作」といいます。

誘発

免疫細胞に異物と記憶された「金属たんぱく複合体」が次に体内に入ったときに、攻撃をする準備をしていた免疫細胞が過剰に反応を起こしてしまい様々なアレルギー症状を起こします。この段階を「誘発」とし、微量であったとしても強いアレルギー反応を起こしてしまいます。

 

上記のようなプロセスによって起こるのが金属アレルギーです。

 

また、金属アレルギーは大きく二つのタイプに分類されています。

 

①金属に直接触れることで症状が出るタイプ

②体内に取り込まれた金属によって全身に症状が出るタイプ

 

ジュエリーやアクセサリーが原因で起こる金属アレルギーは主に①のタイプといええるでしょう。

なお②のタイプは食物や、歯科医療で使用する金属材料が起因となっていることが多いといえます。

 

それではそれぞれのタイプについても詳しく説明いたします。

 

①金属に直接触れることで症状が出るタイプ

 

前述したように、ジュエリーやアクセサリー、腕時計やベルトのバックルなどの金属が直接皮膚に接することで起こるのがこのタイプです。

装着部分の金属が汗や体液によってイオン化して体内にとりこまれて、前述の「金属たんぱく複合体」となり金属アレルギーの準備が整います。特にアレルギーが出やすいのがピアスやネックレスというのも、うなづけますね。

ピアスに関してはより体内に近い部分に接しており皮膚の強度が低くなっています。

またネックレスの場合は、汗をかきやすかったり、皮膚として比較的弱い部分である首元であることが原因といえるでしょう。

その他では腕時計や、ベルトのバックル、眼鏡のフレームなども身体に接する金属の代表でしょう。

このような様々な金属と身体、皮膚が接することで起こる金属アレルギーが一般的には良く知られているところです。

 

②体内に取り込まれた金属によって全身に症状が出るタイプ

 

直接金属に触れない場合でも起こるのがこちらのタイプです。

これは過去に、皮膚に直接触れた金属によって感作を起こした場合、その金属が皮膚に触れなくても、食物に含まれる微量の金属や、歯科治療で使用される金属が少しずつ体内に溶け出すことによって、誘発されアレルギー症状を起こすのがこのタイプです。

部分的に金属が触れているのではない為、全身に感作された物質がいきわたることで、広範囲に赤みやかぶれ、かゆみ、ぶつぶつなどの症状を引き起こします。

また歯科医療の金属が原因の場合は、口の中がただれたり、全身にざらざらとした赤紫の色斑ができたり、足裏や手のひらに水ぶくれのような症状が出ることもあるようです。

 

 

このようなアレルギー反応を起こしてしまうのが金属アレルギーです。

金属アレルギーは前提として、どの金属でも起こる可能性は否定できません。

また一度、感作された金属は、根本的に治療はできません。

ただし、金属によってはアレルギーが起こりにくい、また人によっては体質や生活習慣、食事の内容によって予防、改善をすることもできます。

まずは正しく金属アレルギーについて知ることで、無意味な偏見や不安を除外して日常生活を送ることができるでしょう。

 

それでは次に金属アレルギーが出やすい金属材料について詳しく説明していきます。

 

 

 

金属アレルギーが出やすい金属素材

 

 

それでは金属アレルギーが出やすい金属素材について説明いたしましょう。

前述で、どの金属もアレルギーとなりうる可能性があるとしましたが、日常生活で触れやすい金属、またはイオン化傾向の高い金属など一般的に金属アレルギーの原因となりやすいといわれている金属があります。

 

それが金属アレルギーの原因となりうる三大原因金属と呼ばれる以下の三つの金属です。

 

①ニッケル(Ni)

②コバルト(Co)

③クロム(Cr)

 

以上の三つが一般的に金属アレルギーの症状を引き起こしやすいとされています。

「シルバーのアクセサリーは金属アレルギーだからダメで。。」、「ゴールドは24金でないと肌に合わなくて」とおっしゃっている方もよくいらっしゃいますが、これらの三大原因金属がアクセサリーやジュエリーに含まれることは滅多にありません。

古い時代に作られたシルバー製品やゴールドには微量に含まれていた可能性もありますが、現在では厳しい基準によって規制されており、いわゆる三大原因金属が含まれたジュエリーやアクセサリーはほぼ存在しません。

 

では一般的な装飾品によって、なぜ金属アレルギーが引き起こされてしまうのでしょう?

それはいわゆる三大金属の使用用途に関係しています。

ではどのような使用のされ方となっているのでしょうか。

 

①ニッケル

イヤリング、ネックレスなどのアクセサリー、ベルトのバックルへのニッケルメッキ、硬貨、塗料など

②コバルト

メッキ、塗料、硬貨、青色系染料、顔料、化粧品、セメント、乾燥材など

③クロム

メッキ、インク、塗料、革製品のなめし剤

 

特に日頃身に着けるメッキ製品のアクセサリーにおいて三大原因金属は非常に使用頻度が高いです。

ジュエリーなどでもメッキをかける場合は下地にニッケルメッキを施し、その上からロジウムでメッキを施します。

ロジウム自体は金属アレルギーにはなりにくい素材ですが、使用していくことでロジウムが剥げていき、下地のニッケルを触れる状況が作り出されます。この時にイオン化されたニッケルが感作されて、金属アレルギーの原因物質となります。

 

このように直接肌に触れる機会が、金属アレルギーの原因となりやすいとされています。

また化粧品に含まれることや、アクセサリーを着ける機会の多い女性に金属アレルギーを発症する例が多くあるのもうなづけるでしょう。

 

「シルバーのアクセサリーは金属アレルギーだからダメで。。」

という方はおそらく過去にメッキが施されたシルバー製品、またシルバーカラーにコーティングされた真鍮製などのアクセサリーを身につけていた経験があるのかもしれません。

 

「ゴールドは24金でないと肌に合わなくて」

という方も、18金のアクセサリーやジュエリーなどにメッキを施すことはないので、それ以下の品位(10金など)の素材などにゴールドメッキを施されたものに反応があったのかもしれません。

 

一概にメッキ製品を原因とすることではありませんが、それによって引き起こされる事例が最も顕著と言えます。

 

それ以外には、歯科医療で使用されている金属もあります。

歯科材料が原因で起こる金属アレルギーは「歯科金属疹」と呼ばれ、水銀、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、パラジウム、白金、銅、亜鉛、金などによるアレルギーが知られています。これはそれぞれの金属が直接体内に取り込まれやすい環境にあるため、起こりうる可能性があります。

 

また、それ以外では、稀に医療用体内埋め込み金属も原因となります。純度の高いチタンやジルコニウム、サージカルステンレス、プラチナ(Pt900~1000)などはイオン化されにくく、金属アレルギーの原因となりづらいですが、これらの金属を加工する際に合金として含まれる金属によって、金属アレルギーを引き起こすことは否めません。

 

なお、renriで使用している指輪の材料に含まれる金属は以下の通りです。

プラチナ(Pt)

金(Au)

銀(Ag)

銅(Cu)

パラジウム(Pd)

 

アレルギー頻度の高い順番としては、パラジウム、銅、プラチナ、金、銀と言われています。

意外かもしれませんが、銀単体ではアレルギーの原因とはなりにくいとされています。

ただ、前述の合金にした際や、使用状況によっては変わりますので、個別に検討する必要があるでしょう。

たとえばイオン化傾向自体は、パラジウムより銅のほうが高いのですが、使用される用途(歯科材料など)にょってアレルギー頻度が高いとされています。

このように複合的な要因で、金属アレルギーの発症は決定されています。

 

上記のrenriで使用される金属自体は金属アレルギーになりづらいとされています。

特に指輪などは手を洗ったりする機会も多いアイテムなので、過度に金属アレルギーを気にする必要はないかと思います。

ただ確実に金属アレルギーを発症していて、上記で使用されている特定の金属に反応をしめす場合は、選ぶ指輪の素材を熟慮する必要があります。

そういった場合でもご遠慮なく相談してくださいね。

 

それでは次に実際に金属アレルギーになっているかどうかを調べる方法についてご説明いたします。

 

 

金属アレルギーの調べ方

 

 

 

金属アレルギーかどうかを実際に調べるには、最も一般的な手段としてパッチテストがあります。

皮膚科など医療機関で実施されており、場合にもよりますが、10~15種類ほどの金属に反応があるかを調べることができます。

 

具体的には以下のような流れで診断していきます。

 

①皮膚科に行って問診を行う

実際に皮膚科に行って、疑いのある金属や指輪などで使用する金属を説明し、相談しましょう。

 

②パッチテスターを背中に貼る

試薬をつけた試験紙付きのフィルム(パッチテスター)を貼ります。48時間貼り続けたままにします。

 

③再診

48時間後に再診を行います。その際にパッチテスターを剥がし、刺激反応が消えるまで30分ほど待ち、その後結果を判定します。

 

④その後2回にわたってのテスト

判定は2日目(48時間後),3日目(72時間後)と7日後にも行います。

判定は反応の強さに応じて5段階で行います。

 

大変な検査ですが、正しく金属アレルギーを知るためには重要ですので、金属アレルギーの疑いがある方は是非ご検討ください。

 

 

 

 

金属アレルギーが出てしまったら

 

 

指輪などのジュエリーが原因でなくても、金属アレルギーの症状が出てしまった場合は必ず医療機関に相談しましょう。

特に下記のような場合は受信することをおすすめしております。

 

●元々処方されているステロイド剤を一週間程度使用してもその症状が治まらなかったり、発症を繰り返すとき

●広範囲に皮膚が炎症する、ただれるなどの症状がでているとき

●足裏や手のひらなどに水ぶくれができた場合や、かゆみ、痛みがひどいとき

 

なお、金属アレルギーにも稀にではありますが、アナフィラキシーショックが起こることがあります。

そうなると呼吸困難など重篤な症状に陥る可能性があるので、皮膚の症状以外に息苦しさ、めまい、吐き気などが出た場合は緊急の対応を取る必要があるでしょう。

 

 

金属アレルギーの予防

 

 

前述のように金属アレルギーになってしまうということは、その特定の金属が感作されている状態で、その後、微量でも特定の金属によって発症してしまいます。そのとこを根本的に解決する術は今のところありません。

ですので、金属アレルギーの予防として、以下の2点に気をつけましょう。

 

①まず金属アレルギーにならない

②金属アレルギーになっても発症させない

 

 

①まず金属アレルギーにならない

金属アレルギーになってしまう原因は、主に肌に触れやすいアイテムにメッキ加工が施されていて、そのことが原因となることが最も多いと言えます。若いころからできるだけそのような製品に触れないようにすることで、できるだけアレルギーになりやすい金属との接触を減らすことを心がけましょう。また、金属がイオン化するには汗や体液が関係してきます。汗のかきやすい夏場やスポーツ時にはアクセサリーなどは外して、清潔に保つのも良いでしょう。

 

renriの指輪で使用される金属は、アレルギーになりづらいものですが、それでも気になる場合はこまめに手を洗い、時には外してしっかりと乾燥させていくことも大事です。

 

②金属アレルギーになっても発症させない

とはいっても、すでに金属アレルギーになっている場合は、発症させないよう日頃より気をつける必要があります。

 

まずは疑いがある場合は、しっかりと医療機関で県検査して、原因となる金属を特定しましょう。

金属アレルギーの三大原因金属とされるニッケル、コバルト、クロムは身に着けるものばかりではなく、化粧品や食品にも微量ですが含まれています。ちなみに三大原因金属が多く含まれる食品は、以下の通りです。

 

●ニッケル

ココナッツ、チョコレート、きなこ、大豆、メルルーサ、青のり、くるみ、キビ、落花生、カシューナッツ、グリンピース、タケノコ、しそ、ナメコ、昆布、干しひじき、お茶類、ココア、コーヒー

 

●コバルト

干しわらび、青のり、干しひじき、ココア

 

●クロム

チョコレート、パルメザンチーズ、プロセスチーズ、チェダーチーズ、青のり、昆布、干しひじき、乾燥わかめ、お茶類、パプリカ、山椒

 

日常生活でよく見かける食材にも金属アレルギーの原因となる金属が含まれていることは意外かもしれません。

ただ、この食品を食べたから金属アレルギーになるという心配をする必要はないかと思います。

ただし、金属アレルギーになってしまった場合は、僅かな量の金属でも体内に取り込まれることによって発症するリスクはありますので、極力避けるのが無難だといえます。

 

また、歯科医療の金属材料でアレルギーになってしまった場合、使用されている金属を避けるようにするのがおススメです。

renriの指輪でもパラジウムが多く含まれる素材は、金属アレルギーの方にはあまりおススメしておりません。

※検査の結果、パラジウムに反応があった方へのご案内です。ごく稀にですが、金やプラチナにアレルギーを持っている方もいらっしゃいますので、まずはしっかりと検査することが重要です。

 

その他に、これはどの医療機関でも言われることかもしれませんが、睡眠不足やストレス、運動不足や過度の飲酒・喫煙などといった生活習慣を改善することが最も重要な対策だともいえるでしょう。

 

 

 

まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。金属アレルギーについてはあやふやな情報もありますが、よくよく調べてみると意外な事実もあったかと思います。一番重要なことは正しい知識も持って、正しく対処することです。

 

金属アレルギーの疑いがある場合でも、過度に不安や疑念を抱くよりもまずは検査を受けるなどして、しっかりと現状を確認してみましょう。金属アレルギーを自覚している方が、「検査の結果、陰性でした。」ということもよく聞きます。

体調次第では、指輪や腕時計の締め付けで、かぶれを起こす場合もあるので、まずはしっかりと確認してみましょう。

 

結果的に金属アレルギーだった場合でも、前述のようにしっかりと発症を予防するよう努めいけば、日常生活の選択肢は増えていきます。

正しい知識をもって金属アレルギーについて対処していきましょう。

 

参照サイト ヒフノコトサイト

https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/solution/1560

 

書いた人

職人 芳田 

 


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