手作り結婚指輪に新たな提案!!「チャンファーリング」が新登場します。
「印台スタイルの結婚指輪を手作りしたいけど、型からつくる鋳造製法のお店しか見当たらない」
そのようなお客様からの声を受け、renriでは1本の棒から鍛造製法で作る、新たな印台スタイル「チャンファーリング」をデザインしました。
それではチャンファーリングについて詳しく見ていきましょう。
新たなデザインが出来上がるまでのポイントや、その特徴、制作例などをご紹介していきます。
目次
1.チャンファーリングとは
これまで鍛造による手作り結婚指輪のデザインにおいてほとんど作られてこなかった指輪のデザイン「印台リング」を、新たにデザインを再構築して生まれたのが「チャンファーリング」です。
「チャンファー」とは、角取りや面取りといったニュアンスです。
このデザインもシンプルなバンドタイプのリングの一部を削り、面取りすることで、ミニマルながらも特徴的な印面デザインの指輪となっています。
2.何故これまで印台リングが作られてこなかったのか?
ファッションリングとしても人気の印台リングですが、元々は印章リングとして古い歴史のあるもデザインです。
そんなデザインですが、鍛造製法による手作り結婚指輪においては下記の理由でほとんどみることがありませんでした。
- 厚みや幅の差が大きいため、一本の棒から制作することが技術的に困難である
- 鍛造の場合、削って成形するので、ロスが多く、型を使用する鋳造の方が向いているため
- 印台リングはトップが厚く、重みがある為、結婚指輪としての日常使いに違和感を感じてしまうことがある
renriでは上記のような印台リングが持つ課題を新たなデザインとして再構築することで解決しました。
それが新デザイン「チャンファーリング」です!!
それではそれぞれの課題をどのように解決したか説明いたします。
・厚みや幅の差が大きいため、一本の棒から制作することが技術的に困難である
鍛造による手作り結婚指輪の製法ではほとんどの場合で、1本の金属の棒から指輪を作っていきます。
それは初心者の方でも気軽に楽しんで指輪を作れるよう職人がサポートしながら制作する工程を考慮しているのですが、一般的な鍛造製法の場合、印台リングは特徴的な印面を作り出すため、アームと印面部分の厚みや幅が違ったりします。
その為一本の金属から制作するのは、手作りをするお客様も、サポートする職人にとっても技術的に困難であることから、鍛造による手作り結婚指輪において、印台スタイルのデザインはほとんど採用されてきませんでした。
その課題を解決するためにrenriのチャンファーリングではデザインを見直すことから始めました。
印台デザインのポイントとなる部分はどこか?
それはリングの丸みに対して、フラットな表情を作りだす、特徴的な印面です。
一般的な印台リングはその部分を強調するために、印面の厚みを出し、アームを絞って強調しています。
しかし、「本質的には印面のフラットな表情とアームの丸みのコントラストが一番のポイントとなるのでは」と考え、以下の方法でデザインを再構築することにしました。それが、
「厚みと幅を均等にして、部分的に削って印面を作り出す」
非常にシンプルですが、意外にこれまでのデザインではほとんど見たことのない表現となりました。
リングデザインについてはついつい要素をプラスしていきがちです。ただ、文字通り要素を絞ること、マイナスをすることで新たな表情が生まれたりします。
本質的なデザインポイントを理解し、無駄を省くことで作業工程をシンプルにすることができました。
作業工程がシンプルになれば、技術的な負担も少なくなり、初めてのお客様でも気軽に印台スタイルの結婚指輪を手作りしていただけるようになります。
基本的な制作工程は変えずに、シンプルな作業工程を追加することで、
厚みや幅の差が大きいため、一本の棒から制作することが技術的に困難である
この課題を解決することができました。
・鍛造の場合、削って成形するので、ロスが多く、型を使用する鋳造の方が向いているため
通常、印台リングを鍛造によって制作する場合、どんなに金属の棒の状態で厚みや幅を変えてみても最終的にはかなりの部分を削り出して成形するため、かなりのロスが出てしまいます。
これがゴールドやプラチナになってくるとそのことでコストが高くなってしまうので、一般的な印台リングを鋳造で制作する場合、価格は高くなりがちです。
現在では、ほとんどの場合ですでに成形された原型から、型に流し込んで成形する鋳造製法によって指輪が制作されています。
鋳造製法だと削る作業はほとんどなく、基本的には仕上げ作業のみとなるので、金属のロスはほとんどありません。
オーダーメイドではない既製品の指輪のほとんどが現在鋳造製法を採用し、指輪を作っているのはこの為でもあります。
ただし、鋳造製法は鍛造製法に比べて仕上がりの強度は低くなってしまいます。
また、結婚指輪を手作りするという工程においても、鋳造製法の場合だと原型となる蝋型(ワックス)をひたすら削るという作業工程の為、鍛造製法に比べて、お客様の「自分たちで作ったという充実感」も少し低いと言えるでしょう。
鍛造製法だと、一本の金属の棒が、次第に丸くなり、バーナーを使って溶接して、また綺麗に丸くする。
そうして成形された指輪をピカピカに磨いていく、といった指輪が材料の状態から完成するまでの一連の流れを体験できるのでよりいっそうの愛着がわくと思います。
印台リングの制作方法が鋳造作業になってしまうの理由は「コスト」です。
その点を、チャンファーリングはこのようにすることで解決できました。
「印面に厚みを持たせず、余分なボリュームを作らず、コストを抑える」
削る面の部分を最小限に抑えることで、無駄な金属のロスを抑えてコストをかけすぎず印台スタイルを作り出しています。
またそうすることによって、鋳造製法を採用する必要がなくなり、強度を保てる鍛造製法で手作りをできるようになりました。
結果、鍛造製法で手作りをするお客様は、より充実感のある指輪が完成するまでの体験をでいるようになったと言えます。
・印台リングはトップが厚く、重みがある為、結婚指輪としての日常使いに違和感を感じてしまうことがある
印台リングは印面にボリュームを持たしているのがデザインの特徴です。
ただ、ほとんどの場合でそこに金属のボリュームがありますので、着けていると指輪がクルクル回ってしまったり、ポケットに手を入れる際に引っかかってしまうことなどもあります。
日常使いとなる結婚指輪のおいては、デザインの良さもさることながら、日々の生活において違和感とならないことも大切です。
日々の生活の中で、結婚指輪はほとんどの方がつけっぱなしにされています。
ですので、着け心地といったこともしっかりと検討しなければいけません。従来の印台リングはそういった部分で少しデメリットがあるとも言えます。
どうしてもその問題を解決できず、結婚指輪の主流デザインとはなり得てきませんでした。
ただし「チャンファーリング」では、前述の通り印台スタイルの特徴となる印面を、せり出させるのではなく、削って低く抑えています。
「印面が低くなったことで、重みがなく軽やかなつけ心地となった」
印台リングの持つボリュームのデメリットをデザインが再構築されたことで、解決することができました。
こうして、印台の特徴である印面部分を残しつつ、日常使いの結婚指輪としての着け心地も担保できる新しい印台スタイルが出来上がりました。
引っ掛かりもなく、指輪もしっかりとフィットできる、結婚指輪としてもふさわしいデザインが「チャンファーリング」です。
3.新たな印台リングスタイルとしてのデザイン提案
鍛造製法による結婚指輪の手作りを実現するために、デザインを再構築した結果、従来の印台リングの課題を解決し、新たな印台リングのスタイルとして昇華されたのが「チャンファーリング」です。
それではrenriの結婚指輪の手作りにおいて、「チャンファーリング」ではどのようなデザインが制作できるのか、サンプルを例にして見ていきましょう。
◆シンプルなプレーンスタイル
上:2.5㎜幅 プラチナ 下:2㎜幅 プラチナ
シンプルな甲丸型の指輪に印面を作り出したデザインです。
アームは鏡面にしてフォーマルな印象に仕上げましたが、印面部分をそれぞれ鏡面とマット加工にして、違いを出すことで男性らしさ、女性らしさを表現しています。
シンプルながらもワンポイントの印面が他にはない印象を与えてくれる仕上がりです。
◆ハンマーテクスチャーを施してカジュアルさを
上:2.5㎜幅 プラチナ ダイヤモンド 下:2.5㎜幅 イエローゴールド
全体をマットな表情に仕上げて、ぬくもりを演出した仕上がりです。
ワンポイントの印面にはハンマーのテクスチャーを施して、リズム感のあるカジュアルさも魅力的です。
女性用に指輪にはダイヤモンドをラインで留めることで、カジュアルな中にも華やかさをプラスしています。
◆シャープな仕上がりがモダンな雰囲気に
上:2.5㎜幅 プラチナ 下:2㎜幅 ピンクゴールド ダイヤモンド
アームを剣腕(断面が山型に形状)にすることで、削り出された印面が紡錘型となり特徴的な印象に仕上がりました。
丸みを抑えたシャープな面で構成されることで、ファッションリングのようなモダンな雰囲気を醸し出してくれています。
女性用の指輪には印面のダイヤモンドを敷き詰めることで、より引き締まった輝きが魅了します。
◆アート作品のような印面の仕上がりに
上:3㎜幅 グリーンゴールド ダイヤモンド 下:4㎜幅 プラチナ
しっかりとしたボリュームで作られたこちらのデザインは、アートピースのような印象を与えてくれます。
女性用の指輪はグリーンゴールドの爽やかな黄色味の印面を細かな石目テクスチャーで表情をつけ、ダイヤモンドを一粒留めて引き締めています。
男性用の指輪はアームのマットな表情の中に、さらにサンドブラスト加工で印面を仕上げることで、プラチナという金属の素材感を存分に楽しめます。
◆ワイルドなスタイルが目を引く印台スタイル
上:5㎜幅 プラチナ 下:3.5㎜幅 イエローゴールド ダイヤモンド
フラットな幅広のアーム全体にハンマーテクスチャーを施すことで、印象的なワイルドさを演出しています。
特徴ととなる印面はマットに仕上げて、それぞれ星型の彫りを施すことでインディアンジュエリーのような要素もプラスしています。
女性用の指輪には彫りの中にダイヤモンドを留めており、煌めく星のような表現になりました。
◆互いをシェアするコンビカラー
左:2.5㎜幅 プラチナ イエローゴールド 右:2.5㎜幅 イエローゴールド プラチナ
マットに仕上げられたシンプルな形状のデザインですが、ポイントはその印面の素材にあります。
アームとは違う、それぞれ相手の一部を切り取りシェアしたようなコンビカラーデザインは「二つ揃って、一つになる」といったメッセージが込められた、結婚指輪としてふさわしいコンセプトになっています。
非常にミニマルですが、アクセントの効いたデザインです。
◆フラットな構成のミニマルデザイン
上:2㎜幅 グリーンゴールド 下:2.5㎜幅 プラチナ
フラットなアームに丸みを排除した面で構成されたデザインが、建築的な構造をイメージさせてくれます。
女性用の指輪はシンプルな面の構成で繊細に、男性用の指輪は両角を一面削ることで、印面を隅切りの八角形にすることでクラシカルの印象を持たせています。
マットな仕上げが、よりいっそうシルエットの美しさを引き立ててくれます。
3.まとめ
いかがだったでしょうか。
renriでは鍛造で作る手作りコースでもオーダーメイドのように素材やオプション加工を自由に選んでいただけます。
選ぶ素材や、ボリューム、オプション加工の選択し、アレンジ次第では他の誰ともかぶらない世界にひとつの結婚指輪を手作りすることができます。
あらたな提案である「チャンファーリング」もアレンジ次第で、見たこともないようなデザインに仕上げることが可能です。
手作りできる結婚指輪の新たなデザインスタイルとして「チャンファーリング」を是非ご検討ください。